ポスター掲示板の問題について(都知事選挙)(社会)
2024/07/01
2024年7月7日(日)に東京都知事選挙が実施されます。
概要は以下のとおりです。
告示日:2024年6月20日(水)
投票日:2024年7月7日(日)
(選挙期間:16日間)
立候補者数:56名
今回、ポスターの掲示にて、様々な問題が発生し、話題となっていました。
このことについて、いくつか引用リンク先からの内容を整理し、自分なりにまとめてみました。
(※専門家ではありませんので、理解不足な点があったばあいは、ご指摘お願いできればと思います。)
・告示日の当日17時までに法務局に供託金(300万円)を収めた『証紙』を候補もしくは代理人が提出して、候補者が決まる
・供託金は、有効得票数の1/10以上獲得(公職選挙法93条1項)すれば戻される。
2020年令和2年7月5日の東京都知事選挙は650万人だったので、65万票以下は没収となった。
(このときは、得票数で3位圏でなければ、すべて没収され国庫金となった。)
・選挙に関する諸々の規制を実行する選挙管理委員会は、公職選挙法に基づいて活動する
・公職選挙法は選挙ポスターの内容に対してなんらかの規制を加えるという仕組みになっていない
○ ポスター掲示板不足の問題について
・今回、立候補者数が多く(56名)、ポスター掲示板が不足(48名分しか設置していなかった)という問題が発生した
・「NHKから国民を守る党」が関係団体を含めて24人を擁立するなどしたことから、過去最多だった前回2020年の22人を大きく上回り、異例の候補者数となった
・49番目以降の届出の候補者にクリアファイルを提供して、掲示場に画びょうなどで固定するように指導があった
○不適切ポスターについて
・公職選挙法にはポスターの記載内容を直接制限する規定がない。
・ほぼ全裸パスターや立候補者ではない人物の掲載、犬など動物の写真を掲載したものもあった
・公職選挙法には、掲載内容についての制約事項がない
○ポスタージャック騒動について
・東京都の選挙区でポスターを掲示する場所は、1万4,163ヶ所ある。
・今回、24枠のポスター枠が同一画像で占有されるという事象が発生した。
・「NHKから国民を守る党」が24人の候補者を擁立し、掲示板にあなたのポスターを貼れるという奇策を展開した。
・告示日当日に候補者もしくは代理人が、1回目のくじ引きをして、くじを引く順番が決まる
そして、2回目のくじ引きで引き当てた番号がポスターの番号となる。
・連番で枠を獲得する為に、あえてくじ引きに参加せず、くじ引きで割り当てられた1番からの上位(今回の場合は22番まで)のポスター枠を放棄することで、残り枠て連番を獲得できたと考えられる
(※結果として、24人を擁立している0が23番から48番までの24連番を確保したと考えられる。)
24人分の供託金は1人分300万円なので、300万円×24人分=7,200万円の費用がかかることになります。
このように費用をかけたポスター枠に同一のパスターを張ることにどんな意味があるのか。
実は、このポスターについては、立候補した24人とは別で、下記のように「自分で作ったポスター」を24枚、選挙期間中張り出せるという募集があり、希望者がデザインし、使用していたらしいです。
ポスター掲示場をジャックせよ。(NHKから国民を守る党)
(※もしかしたら、リンク内容が削除されるかもしれません・・・)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
□あなたのオリジナルポスター24枚を貼ってみませんか?
6月20日より一口2万5千円~※のご寄附で、東京都内に約14,000箇所設置される選挙ポスター掲示場のうち1箇所に「自分で作ったポスター」を24枚貼ることができます。
※25番から48番までの24ヶ所に貼れます。
※2024年7月6日まで貼ることが出来ます。
※立候補者の、写真や名前は掲載出来ませんが、あなたやあなたの大切な人の写真や氏名は掲載できます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16日間で24枚のポスターが張れるとしたら、かなり格安ですよね。
しかも、供託金として支払った7,200万円は、2,880ヶ所にポスターが張られると理屈上は全額回収できることになるそうです。
ちなみに、14,163ヶ所すべてに依頼があったとすると、約3億5,000万円ほどの寄付が集まるそうです。
しかし、よく考えたものですね。
もちろん、都知事選挙のためのポスター掲示板に何も関係ないポスターが24枚も自由に掲載できるってことが不思議ですが、現在の公職選挙法では、掲載内容についての制約はないといってよく、今後、検討すべき課題だとは思います。
(今まで、常識的にそのようなことをしてきた候補者がいなかったんだと思います。)
引用リンク先
・JBpress 【連載】舛添直言 「ポスターも掲示板ももう要らない」劣化した都知事選、前都知事が“改革案”を提言
・YAHOO!ニュース 東京都知事選、 #選挙ポスター掲示板事変 の解決策は選挙のデジタル化しかない
・公職選挙法
・YAHOO! 東京都知事選挙ポスター、なぜ騒動に発展した? 弁護士に聞く、公職選挙法のシステム
・選挙ドットコム 【誰も知らない選挙の公費負担】参議院選挙、候補一人あたり最大680万円まで公費で負担
・YAHOO! 都知事選挙「掲示板を増設せずクリアファイルを提供」は本当に公正中立か
・朝日新聞DIGITAL 【詳報】クリアファイル「やむをえない対応」 都知事選、混乱の告示
ご参考まで。
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