都立入試 英語スピーキングテストについて(その5)
2023/08/25
都立高校入試で実施された英語スピーキングテストについてですが、様々な問題点が指摘されています。
このスピーキングテストは「ベネッセコーポレーション」(以下、「ベネッセ」とする。)が運営していましたが、契約期間が2023年度末だったため、都教育委員会が事業者を募集したところ、「ベネッセ」は応募せず、「ブリティッシュ・カウンシル」のみが応募したとのことです。
そもそも民間に業務を委託する上で、1社のみしか応募がなく採用されてしまうこと自体も問題だと思いますが、「ベネッセ」が撤退することによる混乱もある程度、予想されると思います。
※引用元
ベネッセが撤退へ 都立高入試の英語スピーキングテスト トラブル多発、本格導入からわずか2年(東京新聞)
英語スピーキングテストは昨年度から中3生に対して実施され、都立一般入試の総合点に20点分として加点される仕組みでしたが、音漏れの問題(他人の声が聞こえる等)や採点基準のあいまいさが問題となっていました。
今年度からは、中1・中2年生にも実施されるのですが、都教育委員会は、あくまで能力の到達度を測ることが目的であって成績評価に使うかどうかについては、学校側の判断に委ねるとの見解を示したそうです。
※引用元
スピーキングテスト、中1中2の成績活用「学校の判断」(朝日新聞デジタル)
英語4技能として、話す力(スピーキング)を強化する目的であったことはわかりますが、現状の入試対策でこの英語スピーキングに対する対策を実施するかというと、当教室ではNOかと思います。
このスピーキングテストが合否が分かれるかというと、難関都立高校では多少、影響があるかもしれませんが、それ以外ですとむしろ5教科の一般入試対策(英語も含む)に力を注ぐべきだと思っています。
日本人は英語をこれだけ学習しているのに話せない、、、というよく言われますが、現在の中学英語のカリキュラムでは、定期テスト等ではライティングの割合が増えてしまって、よりテストのレベルが高くなってしまっており、スピーキングの能力をそもそも評価できていないと思います。
民間の力を利用するのであれば、英検、TOEIC、VERSANT、PROGOSなどのテスト結果を直接反映するほうが妥当なのではないでしょうか?
個人的には現体制での英語スピーキングテストには反対です。
以上、ご参考まで。
※関連リンク先
都立入試 英語スピーキングテストについて(その6)
都立入試 英語スピーキングテストについて(その4)
都立入試 英語スピーキングテストについて(その3)
都立入試 英語スピーキングテストについて(その2)
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