衆議院選挙 比例代表選挙の決め方とは?
2021/11/07
先日、衆議院総選挙が実施されました。
中学の社会(公民)の教科書にも記載があるかと思いますが、衆議院の定員は465人で
小選挙区選(定数289)と比例選(定数176)にそれぞれ1票ずつを投票することになっています。
小選挙区選は、実際に候補者の名前を記載するのでイメージはわくと思いますが、比例選の場合
政党名を記入するだけなので、これにより誰が当選していくのか、わかりづらいかと思います。
比例選の場合、政党別の投票数に応じて、当選者が割り当てられるわけですが、
衆議院選挙では、全国11ブロック(定数6~28)ごとに各党の得票数を集計されます。
そして、各党が作成した候補者名簿に従って「ドント式」と呼ばれる方法で議席が配分されるそうです。
(※「ドント式」については、今回は説明は省略させていただきます。)
では、今回の選挙で実際の結果を確認してみましょう。
※参照サイト
NHK 衆議院選2021 開票速報(比例代表 当選当確一覧)
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/shugiin/2021/00/tousen_toukaku_hirei.html
自民党が10月18日発表した衆院選比例代表名簿の登載順位となります。
(丸囲み数字は順位。同一順位の重複立候補者は省略。
「前」は前職、「元」は元職、「新」は新人。敬称略)で、実際の当選者を赤字で色付けしてあります。
【北海道=15人】(1)鈴木貴子(前)(2)渡辺孝一(前)(3)重複候補11人(前6人、元3人、新2人)→2名当選(14)鶴羽佳子(新)(15)長友隆典(新)
【東北=25人】(1)津島淳(前)(2)重複候補22人(前20人、新2人)→5名
当選(24)前川恵(元)(25)入野田博(新)
【北関東=39人】(1)尾身朝子(前)(2)重複候補30人(前28人、新2人)→6名当選(32)河村建一(新)(33)神山佐市(前)(34)西川鎮央(新)(35)上野宏史(前)(36)中野英幸(新)(37)佐藤明男(前)(38)鈴木聖二(新)(39)小川雅幸(新)
【南関東=35人】(1)重複候補29人(前26人、新3人)→9名当選(30)出畑実(前)(31)高橋恭介(新)(32)文月涼(新)(33)望月忠彦(新)(34)高木昭彦(新)(35)及川博(新)
【東京=28人】(1)高木啓(前)(2)重複候補21人(前20人、新1人)→5名当選(23)伊藤智加(新)(24)松野未佳(新)(25)小松裕(前)(26)西田譲(元)(27)和泉武彦(新)(28)崎山知尚(新)
【北陸信越=25人】(1)鷲尾英一郎(前)(2)重複候補19人(前14人、新5人)→5名当選(21)山本拓(前)(22)佐藤俊(新)(23)工藤昌克(新)(24)滝沢圭隆(新)(25)近藤真衣(新)
【東海=35人】(1)重複候補30人(前25人、新5人)→8名当選(31)山本左近(新)(32)木造燿子(新)(33)森由起子(新)(34)松本忠真(新)(35)岡本康宏(新)
【近畿=40人】(1)奥野信亮(前)(2)柳本顕(新)(3)重複候補36人(前32人、新4人)→6名当選(39)湯峯理之(新)(40)野村広志(新)
【中国=22人】(1)石橋林太郎(新)(2)重複候補16人(前14人、新2人)→2名
当選(18)高階恵美子(新)(19)杉田水脈(前)(20)畦元将吾(前)(21)小林孝一郎(新)(22)徳村純一郎(新)
【四国=16人】(1)山本有二(前)(2)重複候補11人(前6人、元1人、新4人)→2名当選(13)福山守(前)(14)福井照(前)(15)二川弘康(新)(16)井桜康司(新)
【九州=30人】(1)今村雅弘(前)(2)保岡宏武(新)(3)重複候補25人(前21人、新4人)→6名当選(28)河野正美(元)(29)新義明(新)(30)田畑隆治
小選挙区にも立候補した”重複候補”については、小選挙区で落選した場合のみ、上記の登録順位の上位から人数があてはめられ、当確が決まります。
なお、”重複候補については、登録順位はいっしょで、小選挙区の選挙結果(「惜敗率」)によって当選順位が決まることが多いそうです。
「惜敗率」(せきはいりつ)とは、対象となる候補者の得票数を同一選挙区で最多得票当選者の得票数で割ったものとなります。
要するに接戦で落選した候補のほうが「惜敗率」が高くなるということになります。
例えば、今回の衆議院選挙による自由民主党の中国ブロックによる比例区の確定人数はは6名でした。
※参照サイト
ZERO選挙 開放速報(比例代表)自由民主党 中国ブロック
https://www.ntv.co.jp/election2021/sokuho/chugoku_jimin.html
朝日新聞 中国ブロック候補者一覧
https://www.asahi.com/senkyo/shuinsen/2021/koho/O09.html#TKJZX000001
中国ブロックの比例代表の名簿順位では、1番目が”石橋林太郎”氏となっていてまず1名確定します。
次に重複候補が16名いるのですが、そのうち小選挙区で14名が当選していたようです。
ですので、落選した2名が惜敗率の高い順から当選が確定し、合計で3名当選が確定したことになります。
次の名簿順位は18番目となりますので、18~20番目の名簿順位に登録されていた3名が当選者となります。
このブロックには、元総理大臣の”安倍晋三”氏や石破茂”氏が含まれているようですね。
比例区における登録準は各党によって、順位付けが可能ですので、上位に単独で指定された場合
ある程度、当選を事前に見込めるような方法になりますね。
「惜敗率」で順位を決定することが妥当かという議論もありますが、各党で名簿順位を操作できる点は
やはり不平等差を欠く気もしますね。
いろいろと選挙の方式についても、調べてみると面白いかと思います。
ご参考まで。
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