内申点について(絶対評価)

2025/05/01

愛知県の公立高校の受験で「内申点」について、名古屋市内の一部の中学校で「相対評価」を連想させるような内部文書が作られていたとのニュースが流れていました。(2025年3月27日)
調査を進めていた名古屋市教育委員会は「相対評価が行われていた状況は認められない」と結論付けました。
ただ、「疑義を生じさせるような内容があり、たいへん遺憾であるというふうに考えています」とのコメントがあったそうです。

出典:
「相対評価」か「絶対評価」か “内申点問題”で名古屋市教育委員会が調査「評価は適切だった」と結論付ける  一方で「疑義を生じさせ大変遺憾」 (Yahooニュース 2025年3月27日)

この問題、私は学校関係者ではなく、私的な塾を運営している立場なので、ストレートに考えを伝えさせてもらうと、「絶対評価」すること自体、かなり無理があると以前から思っていました。
一応、基準は提示されていると思いますが、V模擬やW模擬のような統一テストの点数であれば、入試と同じですので、「絶対評価」は可能だと思いますが、この点については、「偏差値」による評価がNGとなっている現状では、各学校の定期エストや宿題、学習態度等で判断するしかなく、評価の基準を明確にしてほしいというのが学校関係者の本音なのではないでしょうか?

今の「絶対評価」という考え方は2002年度から実施されていて、過去は「相対評価」されていました。
この考え方だと、成績「5」に相当する生がいれば、何人でも「5」をつけていいということになります。
「相対評価」の場合は、各学校で評価割合は以下のように決まっていました。

「5」・・・ 7%(偏差値65以上)
「4」・・・ 24%(偏差値55以上65未満)
「3」・・・ 38%(偏差値45以上55未満)
「2」・・・ 24%(偏差値35以上45未満)
「1」・・・ 7%(偏差値35未満)

これは、統計で言えば正規分布を前提としたもので、各学校のレベルが同じであれば、上記の「相対評価」で評価しても大きな問題ではないように思われます。
ただ、偏りがある場合、統一基準で評価された「絶対評価」のほうが正しいということになるということでしょうか。
ちなみに東京都内公立中学校(中3)における「絶対評価」による評定点の比率は以下のとおりです。

出典:
都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和6年12月31日現在)の評定状況の調査結果について

全体でみると、「絶対評価」でのそれぞれの割合は以下のようになっています。
(※もちろん、「絶対評価」ですので、各学校によって、ばらつきがあることになります。)

「5」・・・ 12%(※相対評価 7%)
「4」・・・ 23%(※相対評価 24%)
「3」・・・ 47%(※相対評価 38%)
「2」・・・ 14%(※相対評価 24%)
「1」・・・ 4%(※相対評価 7%)

特徴としては、「3」にほぼ半分の評価が集まり、「5」が少し多め、「1」と「2」に評価される人は少なくなっています。
各学校のレベルにばらつきがないと想定するなら、この分布をある程度参考にすることは、「絶対評価」であっても理にかなっているようにも思いますが、「絶対評価」である以上、明確な基準で判断する必要があるということになりますね。

現在の中学校の成績評価についてですが、下記のような「観点」からA~Cの評価が付けられると考えられます。

関心・意欲・態度・・・提出物、時事問題への関心
知識・理解・・・小テストや定期テスト
技能・表現・・・ノートのまとめ方、資料を読みとる問題
思考・判断・・・調べ学習への取り組み

「知識・理解」以外で評価しようとする考え方は正しいと思うのですが、これらを「絶対評価」で判断するのは、なかなか難しいことなのではないかと思います。
また、これはちょっと弊害だと思うことなのですが、定期テスト前に提出物の課題が多く、定期テストのための準備より、まず提出物をしあがることに時間をとられすぎる傾向にあるように思います。
(この提出物も時間がないと、答えをそのまま書いて出したりする生徒もいるようです。)
ノートについても、やたらに時間をかけてきちんとノートを作成する生徒もおり、見ていてこれが評価の対象になるのかとちょっと疑問も感じます。

都立高校入試においては、最終的にこれらを加味した「内申点」(東京都では技能教科が2倍に換算されて満点だと65)を300点に換算し、一般入試の場合、5教科の入試得点を700点に換算し、合計することで1000点満点とします。
また、2022年度から英語のスピーキングテストの評価が加算されて、これに20点を加えた1020点を満点とした評価になるなど、いろいろと苦労の跡が見えますが、見方を変えれば、無理やりな指標のようにも思えます。

このような指標で何か適切かは誰にも判断できませんし、いろいろと苦労して作成された指標だと思います。
ただ、この指標を評価するために、生徒にとって負荷のかかるワークの作成やノートの提出を増やすことにどこまで意義があるのか、ちょっと疑問ではあります。
(それが、生徒にとって成長につながることであるなら、問題ないのですが・・・)

ご参考まで。

※関連リンク
都立公立中学校の評定について
都立一般入試の換算内申と入試得点の関係について
換算内申点と入試得点の関係について(都立入試)
内申点の「絶対評価」と「相対評価」
観点的評価(内申点)の決め方について


中学・高校受験対策 個別学習塾
セルモ羽根木教室




 

ブログテーマ

アーカイブ

 Tel.03-6379-5443
 営業時間:月~金 13:00~21:00
 お問い合わせフォーム 
「めざましテレビ(フジテレビ)」<br />
取材された動画の様子です!
「めざましテレビ(フジテレビ)」
取材された動画の様子です!